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​About Sitar

​シタールの起源

シタールは、いくつかの楽器や文化的な影響が重なり合って生まれた楽器です。

そのため、「これが起源です」とひとつに特定するのは難しいといわれています。

 

もともと、13世紀以前のインドには、「ヴィーナ(Veena)」と呼ばれるさまざまな種類の弦楽器がありました。これらがシタールの原型になったと考えられています。

 

また、ペルシャ語で「3本の弦」という意味を持つ「セタール(Sehtaar)」が、デリー・スルタン朝の時代(13〜16世紀)にインドに伝わったともいわれています。このセタールは、シタールの名前や構造の発展に影響を与えたと考えられます。

 

ヴィーナやセタールは、動物の腸から作られた「ガット弦(Gut string)」を使い、温かみのある音色を持っていました。

 

その後、ムガル帝国時代(16〜19世紀)には、ペルシャ文化の影響を受け、そして18世紀ごろには、共鳴弦(タラフ)やフレットの改良が加えられ、現在私たちが知っているシタールの形が確立されたといわれています。

​シタールの構造

【 素材について 】

シタールの丸い胴体部分には「 ひょうたん ( Kaddu / Gourd , Pumpkin ) 」が使われています。

 

それ以外の部分には、トゥーンやチークなどの木材が用いられています。

どちらも木材の狂いが少なく、船舶や建築、高級家具などにも使われる丈夫で上質な素材です。

シタールの中は空洞のため、女性でも片手で持つことができます。

ひょうたん(Kaddu)の写真は、Nitai Mondal Shop Sudiptoさんからいただきました。​

Kaddu photos courtesy of Sudipto (Nitai Mondal Shop)

Kaddu
シタールの素材
Kaddu
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​​【 フレットについて 】

シタールのフレット(Parda)は、紐でネック(Dand)に固定されているだけなので、手で位置を調整することができます。

 

フレットを縛る紐には、ナイロン紐やポリビニール紐などが使われます。

 

金属製のフレットはアーチ状の形をしており、高音域にいくほどアーチの角度が鋭くなります。

 

また、フレットは上下でカーブの角度が異なるため、全て外す場合は、順番と向きを間違えないよう注意が必要です。

シタール
シタール

【 ブリッジについて 】

シタールのブリッジは Ghodi(ゴディ) と呼ばれます。

その調整、メンテナンス作業全体を Jawari(ジャワリ) といいます。

 

ブリッジの脚部には木材が使われ、弦が接する上部には鹿の角や黒檀などが使われます。

近年では、合成樹脂などの人工素材も用いられるようになっています。

 

演奏を重ねると、弦との摩擦によってブリッジの表面が削れ、音が“開いて”いきます。

そのため、音色を整えるためにブリッジの表面をやすりで削るなどの調整を行います。

このようなブリッジの調整に加えて、必要に応じて脚部の高さや傾き、フレットの位置なども合わせて調整します。

こうした一連の作業全体を「ジャワリ」と呼びます。

 

また、フレットの表面が削れて弦が引っかかてしまう場合には、紙ヤスリで微調整します。

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​​​【 弦について 】

私のシタール(Imdadkhani Gharanaの仕様)には、合計18本の弦が張られています    。

( ※ 流派や演奏スタイル、楽器個体によって、弦の本数や構成が異なります。)

 

弦は上下2層に分かれており、下段に共鳴弦、上段にその他の弦が張られます。

 

わたしのシタールで説明すると

 

上段

主弦(Baaj):1本(スチール)

低音弦(Jod):1本(ブロンズ)

ガンダール(Gandhar) :1本(スチール) 

パンチャム (Pancham):1本(スチール)

チカリ(Chikari):2本(スチール)

 

下段

共鳴弦(Tarab):12本(スチール)

( ※ 共鳴弦の本数は、シタール個体によって多少異なります。)

 

となっています。

シタールの構え方

シタールを構えるときには、あぐらで座る要領で左足を下、右足を上にして座ります。

トゥンバ(瓜の部分)を左足の土踏まずに乗せます。

シタールのネックを右ひざの少し内側に置きます。

右手のひじをトゥンバの上に乗せ、右手親指を一番最後のフレットの横に添えます。

シタールが床に対して垂直になるように持ち、左手を離してもシタールが安定するようにします。

その他、細かなポイントはレッスンの中でお伝えさせていただいています。

シタールを弾くときに使う物

シタールを弾くときには、右手人差し指にMizrab ミズラブと言う爪をつけ、左手にオイルをつけます。

ミズラブは太めのワイヤーでできています。

ミズラブをつける場所は、人差し指の第一関節の少し手前にはめ、しっかりと固定されるサイズのものを選びます。

オイルは弦と指の滑りをよくするためにつけます。

ココナツオイルやヘアオイルなどを使います。

小さな容器にコットンなどを入れ、オイルを染み込ませて使います。

参照:シタールについての海外のサイト

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